GARO ROMANCE

地政学と宗教が地球にプログラムした危機の時代、
アート言語 (GARO ROMANCE) として同時発生するコンテンポラリーアートが
必然と偶然にセントラルイースト NICA から発信される。
現代は奇妙な文明に生きている。
現代人の理性と魂は恐怖や人工的なものばかりで一杯になっており、
そのせいで美に気付かないことさえある。
世界が抱えている災厄の元凶はこの恐怖であり、真実と直に向き
合える視野の欠乏である。(中略)
偉大な芸術家はすべて、家族や国家や民族から自分を切り離そうとするものだ。
彼らは、愛国心や郷土愛に縛られない『普遍的存在』であり、世界のどこにでも同胞を見出す。
伝える手段が絵画や音楽であれ、言葉や形体であれ、そういう人は世界全体に
認められ、そして、受け入れられる。
[ 『アートスピリット』ロバート・ヘンライ より1 9 2 3 年 ]
今 2 0 1 5 年、キースへリング、デヴィッドリンチら世界中の多くの若者を芸術の道に導いた
偉大なアートの伝道師のメッセージが、
また 3 人のアーティストをここセントラルイーストの新たな中心 NICA に誘き寄せた。
N o r i k o T a k e m o r i は、ロンドンから サブリナホラックはオーストリアから、
そして田代敏朗は九州から京都を経由して、同胞たちは集い、自由と美を、
まさに音楽のようにガロマンスのアート言語を合唱する。
ここでは文明は奇妙でも 少しだけ明るい。

Intoduction
2 0 世紀初頭、ひとつの大きな芸術潮流だった形而上絵画の画家ジョルジョ・デ・キリ
コは、1 8 8 8 年アテネで生まれミュンヘンで教育を受けながら、真の故郷イタリアに戻っ
てから、イタリア芸術のその後を決定づける偉大な功績を残しました。
アンディ・ウォーホルは、デ・キリコに影響を受け、リプロダクション『反復』の手法
を見出しと言われています。マルセル・デュシャンはデ・キリコを、ペインティングの
中にオブジェを描く( p e i n d r e ) のでなく展示する画家と称しました。そんな世紀の天
才たちも絶讃するデ・キリコも世間からは、その過激さと先進性故に、 バッドペインティ
ングと位置づける中、あのMOMA が、彼の初期作品をグッドペインティングと認め、
「E a r l y C h i r i c o 」として認定しコレクションしたのです。
2 0 1 4 年1 1 月初旬、少年時代に佐賀、青年時代は福岡で過ごした田代敏朗は、福岡空
港に羽田便から降り立った瞬間、『 戻ってきたって感じがします』と語り、ひよ子ギャ
ラリーに書下ろしの作品を運んで来ました。創業以来 1 0 0 年を過ぎても 変わること
なく、愛されるひよ子のデザインは、日本一有名な意匠でありアートそのものです。昨
年オープンしたひよ子ギャラリーは、MOMA のように、日本とアジアの未来派として、
田代敏朗を故郷に呼び戻し、グッドペインティングとして称讃し、大きな未来とチャン
スを与えたのです。
鶴田正人

『GARO ROMANCE 2015』~ unevision de cet écho qui résonne en moi ~
『ガロロマンス2015 』 ~ 体の中でずっと鳴る音~

2015年5月1日(金)〜 5月24日(日)11:00〜18:00
会場:NICA: Nihonbashi Institute of Contemporary Arts
料金:無料
出展アーティスト・田代 敏朗・SABRINA HORAK・NORIKO TAKEMORI
curation by wooly arts

“宇宙とからだ、踊る片鱗” 728×1030 ”凪の輪郭/開け放つ音” 728×1030
“生まれ変わる朝、無意識のプールにて” 728×1030 ボードにミクストメディア
GARO ROMANCE / 展示風景