花の瞼もまばゆかろう

2018/12/12
今日も彫る作業
刷り込み作業
恋人が珍しく風邪ひいたようで
看病しながらの1日だった
感情的になったり
俯瞰で緻密に計算したりと
ものづくりが重なると
ほんとにこのまま続けられるのかと
ゾッとする
先日家に届いた
友達がくれたハーブの花束が
きれいだな
そうそう
届いてからが始まりなのだ
その人の時間で永遠にいつでも楽しめる
そんな作品を作りたい

12/13
今日も終日製作の日
星座をモチーフにした作品たちを作っている
ホロスコープや星の位置を調べたりしたけど
そのまま本や音楽を
リサーチしたりしてるうちに
結局は自分の中の星座になったりする
冬と闘う友達からの相談の電話や
これからの仕事のことでも
さまざまあった1日だけど
今日は1日だけ
いつでも終われる
いつでも始められる
なら今しかできないことはなに

12/14
少しだけ製作のゴールが見えた日
家の前に小さな川が流れてて
朝は特に水の流れも激しい
けたたましい流れなのにも関わらず
一滴ずつの固まりがつららになり
まるで宝石みたいに光っている
手にとってみたくて絡まる蔦から
拾いあげようものの
すぐにそれらはちぎれてしまって
流れに消えていく
時間は光のように過ぎていく
いくらあっても終わらないと
思ってるけど
きっと
何かしらの形にはなっているのだろうか
時代は川なのか
固まりはまやかしの意地なのか
記憶は果たして真実なのか今を封じ込めたい
俺は宝石じゃなくても別にいい
いつかどうせ消えてなくなるのなら
精一杯そこにぶらさがる

12/15
スヌーピーの作者が言ってた
「世の中でいちばん悲しいことは
大切な人に自分の気持ちが伝わらないこと」俺は今
ある不可抗力と戦っている
気力だけで
矛と盾を振りかざして立っている
精一杯感情的なことは
表現に昇華するまで
絶対に梱包する
いつか表現にたどり着いて
作品になったとき
誰かのそのときの
支えになりたい

12/16
製作の区切りが見えた日
今日はちょっとだけ気持ちが
ゆっくりできた日
恋人と向かってご飯を食べれた
おいしかった
ものづくりをしてる時って
現実が何倍もエモーショナルになる
耳も目も響きすぎて辛い
毎回これ描いたらやめてやる!
って思うけど
完成したらいとおしくて
またやってしまう
毎度のことながら
自分自身がめんどくさい、きもちがわるい

12/17
大好きだったカフェ
フィトンチッドの最後の日
移住してすぐ
仲良くなった友達がやってた
山奥の廃校だった場所
いろんなイベントがあって
たくさんの縁をいただけた場所
黒板の文字も描かせてもらって
大切に最後までとってくれてた
終わりがあれば
必ず始まりがあるね
おつかれさまでした
たくさんたくさん
ありがとう

12/18
昨日の打ち上げパーティー
暴れすぎて
今日はずっと眠ってた日
製作も終わってて
ほんとよかった…まだまだ眠い
おやすみなさい

12/19
ばたばたとパッキンして
最後の福岡展示に備え都内に入る
今年何回この繰り返ししただろうな
いつもパッキンは苦手
最近覚えたのはほぼ手ぶらで
必要なものは現地で揃えるということ
来年は何にも揃わない未開の地に
旅してみたいな
何にしても
これで最後
たくさんの人が展示に
来てくださいますように
作品とともに精一杯磨いて
お待ちしてます
恋人が朝食に用意してくれた
朝の果物は金
素敵なコトバ
頑張ってくるぜい

12/20
流行りは同じ人に群がる
まるで自ら発見したかに錯覚させる
優越感を潜伏させたお洒落という嘘
夢を叶えたい
表現が1ミリでも仕事になった立場なら
あなたの夢を叶えたい
あなたの虚像を受け止めたい
あなたのストレスを変換させたい
でも
あなたの夢には潰されない
なぜなら
私は
表現をすることを覚悟しているから
ほんとの表現
スケールが存在しないほんとのそれ
あなたの夢には潰されない
福岡の親友の家は
とにかく眠れる
最後に備えて
海沿いで眠ろう
あなたの夢を叶えたい

12/27
泊めてもらってる宿から
外へ出かけるには必ず
広い公園の中を歩くようになっている晴れた空の下で
郵便やさんに
絵を運びながら
見えない冬の粒を
見えない糸で紡ぐ
形のないものに
輪郭をつけることは
何も特別なことではない
指で空をなぞるだけで
それは
いかようにも現れて
刹那の中で遊ぶ

12/30
朝から配達や挨拶まわりで
バタバタする1日全部行けなかったのは
残念だけど
秒が音符のように
ピコピコしてて
なかなかこんな日も珍しく
それは師走の実感会いたい人に会う
暦の区切りで思い出す
親友と語る都会の公園は
夜も明るい
ほんとうはいつも眠っている時間だ
花の瞼もまばゆかろう