ようこそ毎日ようこそ世界

ひとつの窓、開け放つ世界
記憶の夕闇が倍増させる、強い輪郭の、紫の朝
誰かに決められた未来なんてない
そこにあるのは「今」で
否定も、肯定もない、無の世界
開け放ったら記憶になったね、真っ暗闇のひざこぞう

頭の上から金の泥が覆いかぶさっていく
金をめくると誰かが書いた本の色
嘘とメッキでキラキラして
それを誰かがまた話す
僕に向かって、とんちの聞いたおとぎばなし
聞いてもないのに、ずっとずっと続くんだ
隣を見てもみんなみんな、嘘を信じたふりしてばかり

僕はだれにもきづかれないように、本を閉じるんだ
そっとそっと忍び足で、緑が深いほうへ、歩くんだよ
目の前に見える世界
何時かどうかは時計に任せて
まばたきの音とおなかが鳴る音
そして近くの鳥の声と踊りたくなったら手拍子足拍子
それだけで音楽は始まり、そしてそろそろパンが焼けるよ

笑ってるあなたを、ずっと見てる
「そのままでいいんだよ、そのままで」

ようこそ毎日
ようこそ世界
あなたがそこを開け放つだけで、何かは変わる
かたちにこだわらず、執着せず、固執せず、
自己顕示欲に踊らされたり、誰かと比べたり、
結果を待ち望んだりせず、いつも前向きで。

そんなこと
できるわけない
できるわけない
つらいよ
つらいよ
もうやだよ

でもね
それで自分と自分が精一杯、闘って
涙を流すなら、それも否定せずに、全て抱きしめたらいいんだよ
抱きしめよう、受け入れよう

それで、いい。次のことなんて考えなくていい。

僕は僕を愛して、
僕が愛したい人を愛して、
命の限りに守りたい。
尊重したい。穏やかに暮らしたい。

あなたはひとりじゃない
あなたはあなた
あなたはわたし

2014/05/02