2012-2014 painting and diary

自分の意思とは無関係に押し寄せてきた大きな潮流に、たくさんたくさん抗いながら、
そこで手にしたオールと共に、今まで経験したことのない、とっても大切な夏が過ぎていった。
倒れそうな程の数々の愛情を受けて、言葉に出来ない想い達は、
宙を舞って、きらびやかな粒子を放ち、また僕の腕に戻ってくる。
寸分たりとも見逃せないほど、瞬きをしのぐ速さで溢れてくるそれらは
名前をつける間もなく、また宙に戻っていく
俺は空を見上げて笑って手を振る「またおいでよ」
だってそれはすぐに消えるものではないもの。
そして決して、俺だけのものではないから。
輝く、「大切」達にひとつひとつ、ビーズをつけて、
綺麗に降ろすことができればいいな、俺が紡ぐ糸で、あなたに届けたいな。
痛みを知ってるあなたは、どう感じるのだろう。

帰る場所がないと焦燥に駆られ、行き急ぐように奔走していたあの時間は、
行く場所が無限大にあると気づかせてくれる、
大きな助走期間だと学んだ。
そして、どんな場所に行っても、
大切な人たちは「おかえり」と言ってくれた。
焦ってばかりだった俺の荷物を、黙って降ろしてくれた。

今、ここにいる、理由。
そして気づくことができなかった、「当たり前」という概念。
カーテンを開ければ、窓があり、窓を開ければ、景色が見える。
自分の足で飛び出せば、その景色の中を歩くことができる。
そして、帰る家があることを、また思い出すことができる。
部屋中を跳ね回るたくさんの光がピンポン玉のように見える。
一瞬一瞬の喜びを投影してダンスを踊っているみたいだ。
何も透かさずに、この自分の目できちんと見えるのは、
きっと、あの苦しみを知ったから。
そして、ひとりではないことを、きちんと、思い出せたから。
攻略法は、ひざを抱えてちゃ見つからない。

思考のルーレットは幕を閉じる。夢のような毎日は、続く永遠。
そのままとぐろを巻いて、つなぎ目のない毎日。スタッカートを刻む、眠り。

空から降りてくる幾千のライン、金。銀。蜘蛛の糸。細く輝く光の糸。
紙。濾過するみたいに。たくさん汚れて。だから、たくさん洗って。
あなたの今の心が、無責任な現実や
誰かの気まぐれでどうか、それ以上傷つきませんように。

凪の輪郭、開け放つ音。着地点からまさぐる、
喜びの放物線を描いて
吊るす星座。足を天に。
その指に沿うように窓の外に走る電線。
指で音符を置いていく。
ひとつ、ひとつ。
 心臓の音にあわせ音符はそれぞれの音階を放ち、メロディを創る。
頭のスピーカーで鳴らして。外を見つめてる。
余韻はかすかに冷えた体を震わせ、深く呼吸を促す。

思いは宙を舞って、いたずらに消えたふりをする。イミテーション
僕らは迷ってばかりで繰り返してばかりで、だけど
幾千の鼓動を重ねて、光を感じて。時を越えて、他者と共有を可能にする。
めくるめく光、それは刹那
全部全部抱きしめたい
もうこれ以上逃げていかないように
指から出る色で、
キャンバスにクリップ

暗闇の部屋の中での目覚めは、視覚だけではすぐに判断はつかない。
ぱちぱちと目をしばかせて、閉じている瞼の暗闇なのか、外のそれなのか、音で確かめて気づくことがある。しんとした暗闇で、朝を感じる。
まるで、大きな箱から黙々とあふれ出す霧のようなものに、
体が包み込まれて消えてしまいそうな気になる。
小さな頃から、そんな不安に似たようなものを感じる時は、
なんだか決まって冬が近づくときだった。
毛布が暖かくて、ぐるぐる巻きついて、兄とじゃれあっていた、
そんな記憶が冬の輪郭を作る。

黄色がないその信号に、劣等の烙印を落としていた。
勝手に何かと比較をしていた。
信号さえも、ほんとうは無かった。
めまぐるしい起伏の波、
巻き起こしているのは他でもない、どこにもない、
その己が作り出した、精神の地層。
絶望の海に投げ出されて、勝手に救助を求めていた。
助けられたのは、そこが海ではなかったから。
望みも持たない人間は過去でも未来でも泳げない。
絶望なんて、無い。

何かを予兆して、予防線を張ることが当たり前だと思っていた。
違和感を感じても、躊躇をしていたふりをしていた。
舞台は、ぐるりと反転して、地平線の上を舞い踊る。
幾多の時間は、ここに到着するために存在していたんだ。
苦悩と書かれてたはずの名札を確認してみる。
そんなことなど書かれていない。
置いてかないで。放っておいて。
ひとりにしないで。ひとりにして。
支柱の高いシーソーは、
ぎっこんばったんと空に鋭角のラインを残して、
感情の抑揚でスピードが増す仕組みだ。
改めて見直すと、
その名札には、杞憂と書いてあった。
私がそのまま飛んでしまわないように、
シーソーには誰かがベルトを付けてくれていた。

装置(または私)
冬のベンチで一緒に座るあの小さな子。
この体の、頭の、少し上で、ドアを開ける、あの子。
屈託のない、完全な透明で無垢なその子が、
装置に筆を握れとせがむ。
ただただ装置は、その子のために、
綺麗でいたいと、日々掃除に励む。
その子は今にしか記憶がないから、
すぐ光になってしまうからね。
体のなかで、ずっと鳴る音。
音を見たい。
フェイクなプレパラートや、
誰かが持ってる流行のオペラグラスでは見れない。
その夢を、筆でまさぐる。

白く色づく午前色 / 放つ窓から黄金色 / 軒先結ぶ電線に
載せる音符は冬の色 / 琥珀の息が鳥を呼ぶ
見えない光と時間たち / 紡ぐ言葉がもどかしい
いろんないろや / いろんなかたち
全てを見透かす / 大きな太陽
大きく跳ぶための天秤 / 誰かと比べる道具じゃない
太陽つかめる方法を / 変わりばんこで見つけよう
盾を持つほど弱くない / 剣など捨てて抱き合おう
疲れたならば一緒に休もう / 嘘つかない我慢くらべしよう
何もないまま / そこにいよう
影がかたどるふたり色 / 暗くなったらおうちに帰ろう
朝焼け 青空 夕日と夜空 / 心の絵の具と 編む明日
星空紐づくホロスコープ / 指から広がる光線で
大好きなあなたへ絵を描こう
笑ったまんまで広がる / おやすみ
ブランケットは明日色 / 夢見るあいだにどこへいこう
大好きなあなたの夢が、どうか叶いますように
あなたが、あなたのままで、いられますように
ずっとずっと、そばにいられますように
ありがとう

作品展示 2012-2014
【2014】
個展:春の輝き、きらめく世界, Yadokari Cafe, 大分
個展:ONE LAST DAY, Gallery LUMO, 福岡
出展:THE TOKYO ART BOOK FAIR 2014, 京都造形芸術大学東北芸術工科大学外苑キャンパス, 東京
個展:eternity, HIYOKO GALLERY TENJIN, 福岡
【2013】
個展:Baby, Muse, Golden Sun, Gallery LUMO, 福岡 
個展:Full Of Light, Full Of Life, The Bridge, 大分
個展:Orb, Space Oribt, 東京
出展:Japan Festival Berlin, Urania, ドイツ・ベルリン
個展:M a-ket, IMS4F, 福岡
出展:蒼源郷, 「会ふ」, 大阪
【2012】
個展:Orb, Gallery LUMO, 福岡
個展:After The Storm, 四季彩の丘, 佐賀
個展:EPOCH, Gallery LUMO, 福岡
出展:TOKYO WONDER SEED2012, トーキョーワンダーサイト渋谷, 東京(入選)

掲載作品は2012年から2014年に制作されたうちの一部を抜粋しています。